【音楽を仕事にするってどういうこと?】その①
代表の大野木です。
音楽を仕事にするとはどういうことか?
音楽で仕事させて頂いている僕らは当たり前のことですが、そんな当たり前のことを「へぇ~そうなんだ」と関心してもらえるかなと思います。
音楽で仕事と言ってもいろいろあります。
大きく3つに分けてみようと思います。
①ミュージシャン、アーティスト、バンドマン
②作詞作曲、アレンジ
③講師
他にもたくさんあるのですが、わかりやすい職種は上記になります。
今回は①「ミュージシャン、アーティスト、バンドマン」について書きます。
これは皆さん思っている通り、演奏してお金をいただくということになります。
演奏以外ではCDやその他の印税(カラオケ、ダウンロード、作詞、作曲の印税)などで稼ぐということになります。
もちろん、大半のミュージシャン、アーティスト、バンドマンは毎月の固定給など発生しません。
事務所の契約などにより、月給制もあるようです。
ですが、一般の平均年収にはもちろん届かない給料が多いと思います。
その辺りは、音楽で仕事をするというのは覚悟が必要です。
10年前以上の話になりますが、知り合いのバンドマンは事務所から毎月給料が出ておりましたが、月15万だったそうです。
ちなみにそのバンドは日本を代表するモンスターバンドで事務所にも名だたるアーティストが在籍しておりました。きっと潤っているからもっとお金を出してくれるだろうと思いがちですが、こんなもんだと思います。
むしろ売れるかわからない、売れ続けるかわからない、保証も何もないバンドにお金をかけるのはハッキリ言うと事務所側も賭けみたいなものです。
しかもバンドというのはいつ解散するかわかりません、メンバーのモチベーション、人間関係、事務所との折り合いなどちょっとしたことで崩れていきます。
僕の場合で説明すると、20代前半にスカバンドに加入して、7年間の活動をしてインディーズではありますが、CDアルバム3枚をリリース(全国流通)して全国ツアーなども回りました。
事務所ではなく、レーベルの方から声をかけていただきリリースという形になりました。
ちなみに事務所とレーベル(レコード会社)の違いですが、
事務所はアーティストのマネージメントをする
レーベルというのはアーティストを所属させCDを作る組織です
レーベルに所属できたからといって毎月の給料が出るというのはまずないです、あくまでCDの契約(1枚リリースのみ、2枚リリースなど)になります。
事務所に所属と言う形であれば、毎月の給料がいくらか出る場合があります(契約内容にもよります)
お金の面でみると事務所に所属したほうがいいと思われますが、バンドの方向性まで変えられてしまう可能性などもあります。
そもそも、事務所が声をかけてくれること自体ものすごく少ないです。演奏が上手くて、個性があって、ビジュアルも良くて、プロから見ても売れそうだなと思うバンド、アーティストに限ります。
僕のバンド時代は毎月の給料が出るわけではないので、もちろんアルバイトなどで生活費を稼がなくてはなりません。
1枚目のCDアルバムをリリースしたときは、予想上回る売り上げになり、ある程度の印税も入ってきました。ただ、バンドメンバーが7人だったので、1人の取り分は少なくなります。ちょっと贅沢なおこずかいといったところでしょうか。
でもCDをリリースすると、知名度はやはり上がってきます、全国流通ならなおさらですね。
イベンター、企画会社、地方のライブハウス、同じジャンルのバンドからライブのお誘いがたくさん来ます。
中にはそんなギャラ(出演料)をもらっていいのかと言うぐらいのもありました。地方の場合は誘った側から交通費、宿泊費を出してもらえます。
今、考えるとかなりいい待遇を受けていたと思います。
ミュージシャン、アーティスト、バンドマンが音楽で仕事すると言うのは、まず生活ができるように稼がなくてはなりません。
そのためにはCDをリリースして、ライブツアーをして、ライブ会場でグッズなど販売して稼がなくてはいけません。
要はCDリリース、ライブツアー、これの繰り返しになります。
好きだから辛くともなんともないと思われがちですが、これが結構キツかったりします。
そもそもCDアルバムを作るだけでものすごいエネルギーを使います、そしていろんなところと関わってくるのでプレッシャーも感じます。
ライブツアーも過酷です、僕のバンド時代は移動時間で睡眠をとっていて、3日間風呂入れずなんてのがありました。
2.3時間のライブでもとんでもないエネルギーを使います。
僕が経験したインディーズという小さい規模でもそう思えるということは、メジャーレーベルに所属するトップアーティスト(事務所に所属している)はいろんな悩みを抱えつつ、売れなければいけないというとてつもないプレッシャーに絶えながら仕事をしていると言えます。
ちなみに演奏だけしてお金がもらえるスタジオミュージシャンはまた話が別になります。
よくアーティストのバックで演奏している人をテレビなどで見かけるとおもいますが、まさにその人がスタジオミュージシャンですね。その他にもレコーディングなどで稼いでいますね。
スタジオミュージシャンの方が楽かと思いきや、そうでもありません。技術力、演奏力がものを言うので腕っぷしが必要です。その場で知らない曲をやることもあります。いかに臨機応変に対応できるか、どんなジャンルでも弾けこなすことができるかが必要となります。
そのためには音楽的な知識はもちろん、経験も大事になってきます。
でも一番大事なのは人間性かもしれません。なぜかというと、初対面の現場が多いからです。そこで上手く協調性が取れる人は自然と仕事が舞い込んでくるでしょう。
バンド解散後、僕はスタジオミュージシャン的な活動でいろんな方と演奏させて頂きました。と言うか今もいろんな場所でジャンルにこだわらず演奏させていただいてます。
僕はバンドマンも経験して、スタジオミュージシャンも現在進行形ですが、どちらも決して楽だなと思ったことはありません。
強いて言うならスタジオミュージシャンの方が大変かもしれません。その分やりがい、自己の成長というのは垣間見えてるような気がします。
音楽で仕事をするというのは、僕は高校生からの憧れでしたが、言うほど華やかなものじゃないと言うのがわかりました(笑)
ですが、
苦しい中にも楽しさを見出せる。
そういう風に思える人が音楽を仕事にしているのではないかと思います。
次回は②の「作詞作曲、アレンジ」について書きます。
ではこの辺りで、、、